【子宮筋腫】
【子宮筋腫】とは、子宮内にできる良性の腫瘍です。30歳以上の女性の20~30%にみられます。
基本的にはガン化しないもので、症状がない方もいます。
ですが、できている場所や大きさによっては、経血量が多くなり、貧血や吐き気などの症状が出て日常生活に支障をきたすこともあります。
また頻尿(筋腫が膀胱を圧迫することによる)になったり、不妊の原因になることもあります。
当店でもご相談が多い疾患の一つです。
子宮筋腫は場所によって症状が違います。分類は三つ。
●粘膜下筋腫
子宮内膜のすぐ下にできる筋腫。最も症状が強い。子宮の内側に向けて大きくなるため、不妊症や月経過多、月経困難症などの原因になる。
●筋層内筋腫
子宮の筋層内にできる筋腫。3つの中で最も発生頻度が高い。月経時は筋腫が大きくなるため、子宮全体が大きく変形する。筋腫が小さいと症状はあまりないが、大きさや場所によって症状が出る。
●漿膜下筋腫
子宮の外側(漿膜)のすぐ下にできる筋腫。外側に向けて大きくなるため、症状は最も出にくい。
この3種が合併していたり、同一種がたくさんできていたりと、多発性のものが60~70%を占めています。
閉経後は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減り、筋腫が自然と小さくなっていきます。
西洋医学的には、生活に支障をきたしている場合や今後妊娠を希望している場合などは、外科的手術を行います。
症状がなければ、経過観察をするのみで特に治療は行いません。
お薬での治療は、ホルモンを調節する薬(GnRHアゴニスト)を使った治療を行います。
これは閉経と同じような状態をつくりだすことで、筋腫を小さくする治療法なので、更年期のような不調があらわれやすいです。
また骨量が減少しやすくなることから、長期使用することはできません。
つまりお薬の服用をやめたあとに、また筋腫が大きくなる可能性も高いため、治療に踏み切れずに悩まれる方が多いのが現状です。
漢方薬は、その方の症状に合わせてお選びすることで、子宮周りの血の循環をよくすることや浮腫を軽減することができます。この結果、筋腫を小さくする、というよりも、まずは筋腫が大きくなるのを防ぐことができ、不調が軽減されます。
30代の方だけでなく、40代後半~50代の方が、閉経近くに不調が強くなりご相談されるケースも多いです。
しっかりと症状に合った漢方薬を服用することで、筋腫が大きくなる予防だけでなく、再発予防もできます。
西洋医学での治療と並行して服用することも可能なので、まず一度ご相談いただくことをおすすめします。