【糖尿病とダイエットと漢方②~高血糖対策に運動・漢方~】
前回のコラムでは、「糖が体に入ったらどうなるの?」ということについてお話しました。
今回は、【糖を過剰に摂った状態(高血糖)について】をお話していきます。
高血糖状態が続くとどうなる?
食事で糖を過剰に摂った場合、血液中の糖(血糖)の濃度が高くなります。
高血糖状態になると、肝臓・筋肉・脂肪細胞にも収まりきらず、また血液中へあふれ出ます。
つまり、ずっと高血糖状態になるというわけです。
すると、もっと血糖値をさげなくては!とインスリンが放出され続け、糖は中性脂肪に変換され脂肪細胞にさらに蓄積するので、脂肪細胞が肥大します。
インスリンが放出され続けると、次第に膵臓が疲弊していきます。
膵臓の疲弊は、以下のようなことを招きます。
●インスリンが働くべき時に反応が遅くなる・出にくい(インスリン分泌不全)
●肝臓や筋肉の細胞がインスリンの作用を感じにくくなる(インスリン抵抗性)
このような状態になるので、ブドウ糖を取り込みにくくなるのです。
そして、またさらにインスリンを出さなくては!と膵臓に負担がかかります。
このように、高血糖状態が続くと悪循環をまねくきっかけとなり、しかも脂肪細胞に貯められたエネルギー源は使われることがなく、増える一方ということになります。
2型糖尿病ではこのようなことが起こりやすくなっているのです。
悪循環を断ち切る鍵は、筋肉を動かすこと!
こう書くと、なんだか怖くなってしまいますが、この状況を打破してくれるのは、基本中の基本【食事と運動】です。
食事は、内容だけでなく食べ方も大切です。
食事に関しては、また違う回でご説明したいと思います。
今回は、運動による改善についてお話します。
【筋肉を動かすことで起こること】
●筋肉が増えることで、ブドウ糖を蓄えられる貯蔵庫が増え、中性脂肪の蓄積を抑える。
●インスリンに関係なくブドウ糖の受容体を活性化し、糖の取り込みを促進。
●筋細胞内のインスリンに対する反応が良くなり、糖の取り込みを促進。
●血流がよくなり、糖の取り込みを促進。
●エネルギー源としてブドウ糖の利用がすすむ。
●基礎代謝(安静時のエネルギー消費)が向上することで、中性脂肪が蓄積しにくくなり、脂肪が燃えやすくなる。
●血糖値の急上昇を抑えて、安定させる。
こんなにもメリットがあります。
【高血糖状態→中性脂肪の蓄積・脂肪細胞の肥大】の悪循環を断ち切るのには、最適な方法といえるでしょう。
実際に、ハーバード大学の調査において、筋トレをやっていた人はやっていない人に比べて、明らかに糖尿病のリスクを減らせたという研究結果が出ています。
また、有酸素運動と筋トレを併用することでより糖尿病発症リスクを大幅に減らすことができるということも分かっています。
上記のメリットを考えると、糖尿病予防だけでなくダイエットの観点からも、やはり運動はかなり大切であることがわかるかと思います。
どんな運動がいい?
まずはウォーキングや有酸素運動から始めることがオススメです。
有酸素運動の習慣がついてきたら、おうちで出来る簡単な筋トレ(下図)を取り入れてみましょう。
特に糖尿病の人やご高齢の方は下半身の筋肉量の低下がみられるため、足腰を鍛える筋トレをおこなうと効率よく筋肉をつけることができます。
週2~3回行えると、筋肉に良い刺激になります。


※ただし、糖尿病のある方は、運動をはじめる前に主治医に相談しましょう。
合併症をお持ちの方や、血糖のコントロールが不十分な方では、運動を控えた方がよい時があります。
血糖値と漢方薬
糖尿病では、血糖コントロールも大切ですが、合併症の予防もかなり大切です。
高血糖状態が続いている状態はドロドロと血流が悪くなる原因になります。
漢方の考え方では、このような糖や老廃物、また冷えなどで血液のめぐりが悪く滞っている状態を【瘀血】といいます。
この状態では悪循環を助長して、先に述べたようにインスリン抵抗性が増すだけでなく、血管障害を伴う合併症の原因にもなります。
糖尿病の合併症の代表例
糖尿病性神経症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、脳血管障害、心血管関連の疾患、閉塞性動脈硬化など
上記のような合併症の予防に、漢方薬がオススメです。
【瘀血】に使われる漢方薬というと、よく耳にするのは「桂枝茯苓丸」かもしれませんが、こちらの効果は他に比べるとかなりマイルドです。
細い血管までしっかり血液を行き渡らせることに重点を置くなら、別の漢方薬の方がより効果的と言えます。
代表的な漢方薬というと、「生薬二号方」や「血府逐瘀丸」、「三七人参」などで、どれも活血補血をし、傷ついた血管を修復する働きがあるため、糖尿病の合併症予防・改善にも良いと考えられています。
ちなみに、「三七人参」はピンからキリまでありますが、等級の高い有機のものが安心安全かつ、効果も期待できます。
この他にも様々ありますが、その方に合った漢方薬を選ぶことが大切です。
気になる方はご相談ください。
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2回にわたり、血糖についてのお話をしてきました。
糖が体のなかでどのように使われるかを知ることで、ダイエットという視点だけでなく、糖尿病のリスク軽減という面でも、生活習慣を見直すきっかけになるのではないでしょうか。
食事の内容を見直してみること、ご自身に合った有酸素運動や筋トレなどの運動をすることがまず第一です。
これで体の土台ができていきます。
それに加えて漢方薬をを上手に取り入れると、改善への道をサポートしてくれます。
ご自身の体に向き合って、体づくりの第一歩を踏み出してみませんか?