【肝臓の働き と 春のケア】
すっかり暖かくなって、もう春になったんだなぁと実感します。
春は、別れと出会いの季節。
歓送迎会やお花見などのイベントも多いシーズンかと思います。
つまり、お酒や楽しいお食事の機会が増えるということ。
肝臓がいつもよりも頑張っていませんか?
肝臓の主な働きは?
●代謝 :糖・脂質・タンパク質の代謝の中心。これにより、エネルギーを生み出す。
●解毒 :アルコールや薬、老廃物を分解し、体にとって害のない形にかえる。
●胆汁の生成と分泌 :脂肪の消化を助ける胆汁を生成。
(※胆汁= 胆汁酸+ビリルビン+コレステロール が主な成分)
●ビタミン・ミネラルの貯蔵 :特にビタミンA、B12、Dや、鉄、亜鉛などを蓄えて、必要時に供給する。
●脾臓とともに、血液を蓄える機能ももつ。
●免疫細胞が豊富。
肝臓は、体のなかで一番大きな臓器であり、また代謝の中心です。
何千もの種類の酵素を使って様々な化学変化をおこしているため、「化学工場」と例えられるほど。
そして、代謝の他にも上記のように、とっても働き者。
肝臓が元気であることは、体全体にとって大変重要です。
お酒を飲みすぎると…
アルコールを解毒しようと肝臓は頑張って働きます。
お酒を飲みすぎるということは、肝臓の解毒能を超えてしまい、体全体の不調の原因につながります。
また、脂ものや高カロリーのものを食べ過ぎるということも、やはり代謝のために肝臓を頑張らせすぎてしまいます。
春は「肝」の季節
中医学では、春は「肝」が活発になる季節と考えます。
活発になる反面、頑張りすぎて「肝」が消耗してしまうともいえます。
「肝」が消耗すると、気がめぐらず滞り、イライラしたり、血流が悪くなったり、目の疲れや肌荒れなどが起こりやすくなります。
肝臓に負担をかけすぎないために
●お酒の飲みすぎ、脂ものや甘いものなど高カロリーのものなどの食べ過ぎを避けること。
●春は「酸味」のある食材を取ると肝を助けてくれます。が、「脾胃」(消化器)の弱い方はかえって体に負担になることも。
適度な量を摂るように心がけましょう。
●旬の食材である「苦味」のあるものを摂って、冬の間にため込んだ毒素を出しやすくしましょう。
●早起きをして、軽い運動を心がけましょう。「肝」がのびやかになり、気血がめぐります。
「肝」のはたらきを助ける漢方薬
上記のように、養生することがまず大切ですが、漢方薬も上手に使えば「肝」をサポートしてくれます。
ただ、“「肝」のはたらきを助ける漢方薬“と一口にいっても、不調の原因や予防したいことが、
○ストレスによるもの(「気」のめぐり)なのか
○お酒や暴飲暴食によるものなのか
○肝臓や胆のうの機能にかかわるところなのか などなど、、、
上記のように、どこに焦点を当てるかによっても合う漢方薬は違ってきます。
今の自分に合っているものは…?と気になる方は、ご相談ください。
冬でぎゅっと縮こまっていたものが解き放たれ、木々も花も身体ものびやかに目覚める春。
「肝」をいたわることを心がけながら、程よくお酒やお食事を楽しみましょう。
また、気持ちのリフレッシュにお出かけしてみてはいかがでしょうか。