【春の不調・五月病】
早いもので4月が終わり、新生活に少し慣れてきた頃でしょうか?
春は新生活の緊張から、ストレスを感じやすい時期です。ゴールデンウィークを過ぎたあたりでは、いわゆる五月病のような不調がでることも多いです。
ただ、この不調は、環境だけでなく、気候が急激に変わることも要因の一つ。
気温が一気に暑くなる日も多く、ですがまだ朝晩の気温差が激しかったりして、血流の変化が激しくなります。この変化に自律神経がついていかなくて、乱れがちになります。
今年は早くも夏日のような日もあったためか、例年以上に身体がついていかない!という方が店頭でも多いように感じます。
ストレスだけでなく、このような気候の変化が大きく関わっているのです。
つまり、「気」の流れだけでなく、「血」の流れも関わっているということ。
春の不調をおおまかに分けると、以下の3タイプに分けられます。
●不安・不眠になりやすいタイプ(血虚)
●イライラ・憂鬱タイプ(気滞)
●元気・気力がないタイプ(気虚)
では、それぞれのタイプについて簡単にご説明いたします。
1.「血虚」タイプ
「血」には、全身に栄養や潤いを与える作用、精神を安定させる作用があります。
食事の不摂生や睡眠不足、ストレスによる心身の消耗などにより、体の中の「血」が不足します。これが「血虚(けっきょ)」。
症状は、疲れやすい、不安感、気持ちが落ち込みやすい、不眠、顔色が白い、顔色にツヤがない、髪・爪・肌の乾燥、めまい、ふらつき、動悸、忘れやすい など。
2.「気滞」タイプ
五臓の中で、「肝」は「気の疏泄を司る(=気の流れをコントロールしている)」「血を蔵する」という二つの働きをもちます。この「肝」は気の流れをコントロールする半面、ストレスのダメージも受けやすい臓でもあり、「肝」が疲れると、気の流れが滞りやすくなります。これはイライラや憂鬱につながります。
症状は、イライラ、怒りっぽい、憂鬱、情緒不安定、胃が不調になりやすい、便秘しやすい、月経前に精神症状が出やすい など。
3.「気虚」タイプ
「気」には色々な種類や働きがありますが、全身のエネルギーであったり、体を温めたり、外邪から体を守ったり、臓腑を働かせたり、、、とにかく大忙し。
この「気」は脾胃(消化器)で消化吸収したものからつくり出されるので、脾胃がしっかりとしていないと、「気」は不足してしまいます。脾胃を整え、食事を摂り、無理せず体を休めることで「気」は補われます。
症状は、気力がない、体力がない、倦怠感が強い、疲れやすい、朝からだるさを感じる、息切れ、冷えやすい、食欲がない など
いかがでしょう? ご自身やご家族で思い当たるところはありませんか?
これに当てはまればこのタイプ!というわけではありません。むしろ、それぞれのタイプが混ざっている場合が多いです。
イライラには加味逍遙散や抑肝散、倦怠感には補中益気湯 などが処方されることが多いかと思います。ですが、症状によって合う漢方は様々です。
春に体調を崩しやすい方は、漢方薬もサポートにはとてもオススメですが、それだけでなく、
〇血流を整えるための軽い運動
〇心身をゆったり休ませる時間を作る
〇リフレッシュできる習慣を取り入れる
〇食事の摂生
〇早めに寝ること・早起きすること
などでも、かなり改善する方も多いです。
ゴールデンウィーク明け以降は、7月まで休みという休みがありません。
じぶんの体をいたわる時間をつくって、上手に乗り切りましょう。